層状複水酸化物を利用した抗てんかん薬バルプロ酸ナトリウムの吸湿性改善

抄録

層状複水酸化物（LDH）は、正電荷をもつ金属複水酸化物の層と、陰イオン及び層間水を含む負電荷をもつ層間から成っている。層間の陰イオンは他の陰イオンと交換することができ、層間に取り込んだ物質の物理的、化学的安定性を向上させることが知られている。バルプロ酸ナトリウム（VPA）は、てんかん発作に広く用いられる薬物であるが、吸湿性が高く、すぐに潮解することが問題となっている。そこで本研究では、VPAをLDHの層間に取り込むことで、その吸湿性の改善を検討した。