中央ヒマラヤの南斜面に位置するカトマンズ盆地には,鮮新世から第四紀の厚い河成・湖成堆積物が堆積しており,この中には,ヒマラヤのテクトニクスと気候変動の記録が残されている.しかし,これまでにカトマンズ盆地で実施されたボーリングは地下水探査を目的としており,コアが採取され研究されたことはなかった. 我々のグループ(Paleo-Kathmandu Lake project)は,2000年と2001年にカトマンズ盆地で学術ボーリングを行い,数本のボーリング・コア試料の採取に成功した.本報告では,堆積物中の粘土鉱物の質的変動及び量的変動の結果とその古気候・古環境的解釈に的を絞って紹介する予定である.