抄録
島根県の酒造好適米奨励品種は, 「幸玉」, 「五百万石」, 「改良雄町」の3品種であるが, 「五百万石」に作付けが集中しており, 酒造好適米栽培面積350haのうち250haを占めている.「五百万石」は酒造適性に優れているが, 障害型冷害に弱く, 1993年の低温寡照年には甚大な被害を受けた.また, 本県における酒造好適米の需要に対し県内の生産だけでは不足しているため, 県内産米の安定供給を望む声が強い.当場で育成した「島系酒48号」は「五百万石」に比較して収量性及び耐冷性が勝り, 玄米は大粒で心白の発現も良好であり, 酒造適性は「五百万石」と同等かやや勝ることが判明し, 1996年より島根県の奨励品種に採用されたので, その概要を報告する.