日本作物学会中国支部研究集録
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葉緑素計とプラントキャノピーアナライザーを用いた水稲の収量構成要素の推定
岩谷 潔山本 晴彦早川 誠而
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1997 年 38 巻 p. 86-87

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抄録
水稲の生育状況を把握する上で葉中窒素濃度や葉面積指数(Leaf Area Index, 以下LAI)は重要な生体情報である。従来, 葉中窒素濃度の測定は, 葉を直接化学的に分析する方法もしくは簡易法として葉色カラースケールとの対比などにより行われていたが, 前者は多大な労力と時間が必要, 後者は客観的な評価が困難などの問題があった。しかし近年, 農林水産省の「土壌・作物体分析器機開発事業(Soil and Plant Analyzer Development, SPAD)」により開発された葉緑素計(SPAD-502, ミノルタ製)は葉中窒素濃度と相関の高い葉緑素濃度の簡易かつ客観的な推定を可能としている。プラントキャノピーアナライザー(LAI-2000, LI-COR製)は, 従来多大な労力と時間を要する解体調査により測定されていたLAIと受光体勢を知る上で重要な葉身傾斜角とを, 群落の入射光と透過光を測定することにより推定するものである。しかしLAIの推定値は, 直達光が卓越する条件下や出穂期以後の穂の影響により精度が低下することが報告されており, 使用に際してはこれらの要因に注意する必要がある。本研究では以上2つの非破壊計測機器を用いて水稲の生体情報を随時計測し, 収量構成要素との関係を調査した。
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© 1997 日本作物学会中国支部
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