ダイズ有限伸育型品種(エンレイ)と無限伸育型品種(東山69号)を用いて, 1997年に岡山大学農学部附属農場において栽植密度3水準で栽培し, 生育と収量及び収量構成要素に及ぼす影響を, 着生位置に着目して品種間で比較した.栽植密度は6.25, 12.5, 25本m^-2とし, 畦幅は80cm一定として, 株間をそれぞれ20, 10, 5cmに変化させた.栽植密度が高くなるにつれて, 個体当たり節数, 花蕾数, 莢数および子実数が減少した.個体当たり子実重も同様に両品種で減少したが, その程度はエンレイに比べ東山69号の方が著しかった.エンレイでは, 栽植密度の増加に伴い結莢率が特に高次位花房で低下したが, 東山69号の変化は小さかった.子実重は栽植密度の増加により両品種ともに主茎の占有割合は増加し, 分枝の割合は減少したが, この傾向は特にエンレイで顕著であった.面積当たり子実収量は, 栽植密度が増加するに従い, 主茎の低次位, 高次位花房ともに増加する傾向が認められた.エンレイでは栽植密度の増加に伴い, 主茎の高次位花房の子実重が急激に増加し, その結果密植区の収量は東山69号に比べて15%多くなった.