環境と安全
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原著論文
大学の有機廃液焼却処理におけるダイオキシンの排出管理と学内濃度の経年変化
山田 悦布施 泰朗川瀬 徳三
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2011 年 2 巻 2 号 p. 2_149-2_157

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抄録
   大学の有機廃液焼却処理におけるダイオキシン対策の効果を明らかにするために、京都工芸繊維大学での12年間の稼働実績及び学内濃度の経年変化について解析した。大学の処理装置は小規模であるが、前処理・分析による有機廃液の塩素濃度10%未満の徹底、焼却方法の改善と触媒装置の導入により、0.1 ng-TEQ/m3という法的基準の100分の1という厳しい学内基準値を10年以上クリアして安全かつ継続的に焼却処理ができていることから、これらの方法は有効なダイオキシン低減対策と言える。触媒装置の導入は、ダイオキシンのみでなく窒素酸化物の排出の同時削減が可能である。大学構内の排水中総ダイオキシン濃度は、2000年、2001年の3.576 pg/TEQ/L、1.741 pg-TEQ/Lに対し、2002年には0.215 pg-TEQ/Lと、約10分の1に急激に減少した。2002~2005年は、0.2 pg-TEQ/L前後で推移したが、2006年には0.031pg-TEQ/Lとさらに低下し、2010年は0.006 pg-TEQ/Lと、2000年の約600分の1まで減少した。2000年、2001年はPCDDs/PCDFsの割合が92.5%、88.9%と高い値を占めていたが、2004年以後は一部の年を除きコプラナーPCBsが60%以上と高い割合であった。2000年、2001年の排水中ダイオキシンは燃焼起源の影響が認められるが、2002年以降はその影響は急激に低下したと考えられる。2000年に測定した大学の土壌中ダイオキシン濃度は4 pg-TEQ/g前後で、いずれも環境基準値1000 pg-TEQ/gよりかなり低い値であった。
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© 2011 大学等環境安全協議会
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