大阪音楽大学研究紀要
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エドワード・エルガーをめぐる言説 --1920年から1934年の『ミュージカル・タイムズ』を中心に--
奥坊 由起子
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2015 年 53 巻 p. 90-104

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抄録
エドワード・エルガー(1857-1934)は存命時からすでに重要性が認められていた作曲家であるが、いくつかの研究は彼が1920年代に軽視されていたことを示してきた。本稿の目的は、1920年から1934年のエルガーをめぐる言説を検討することにより、エルガーがいかなる音楽文化史的位置にあったのかを明らかにすることである。特に本稿では、大衆的な音楽雑誌『ミュージカル・タイムズ』の記事を中心に扱う。 『ミュージカル・タイムズ』での言説は、エルガーが彼の業績の点で国民的な作曲家であると同時に、フォークソングを作品に使用しないという点で普遍的な作曲家である、という2つに区分できる。このことからエルガーはイングランドの音楽文化史において、国民的かつ普遍的という稀有な作曲家として位置していたことが窺い知れる。
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© 2015 学校法⼈ 大阪音楽大学
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