抄録
ベンチャーキャピタル(VC)は、高い成長性や将来性を有するベンチャーに対して投資を行う。日本において、DDS(Drug Delivery System)技術を保有するバイオベンチャー(DDSベンチャー)が多く起業され、多くはないが臨床試験入りした。小職が投資活動の中で感じたDDSベンチャーにおける事業上重要な観点は、「DDS技術としての優位性よりも医薬品としての魅力が不可欠」、「DDS技術自体あるいはDDS技術を含めた医薬品原体の製造に研究開発上の大きなハードル」である。医薬品開発におけるオープン・イノベーション(Open innovation)の潮流の中で、製薬会社が直接大学にDDS技術を探す動きがある。小職はこの動きを投資機会の1つと捉え、これまで以上に深い興味を持ってDDS技術に関わっていきたい。