Drug Delivery System
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最新号
日本DDS学会
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
FOREWORD
OPINION
特集 “DDS研究における動物代替”  編集:古賀宣勝
  • 田村 亜紀子
    2025 年40 巻4 号 p. 240-245
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
    動物実験代替法の開発、活用推進が進んでいる化粧品業界において、局所毒性の代替法に関しては、Adverse Outcome Pathway(AOP)のKey Event(KE)に沿って個別の試験を開発し、それらを組み合わせて評価する方法が提案され、活用されてきている。一方で全身毒性に関しては、昨今Next Generation Risk Assessment(NGRA)という概念が提唱され、最終的にヒトの健康を守ることを目的に、化合物の特性に合わせたシナリオに沿ってNew Approach Methodologies(NAMs)試験を組み合わせて評価を実施するケーススタディの報告が盛んである。動物実験代替法には多くの課題が残っているが、今後、さまざまな分野で開発、活用推進されることが見込まれるため、ここで事例を紹介した。
  • 伊藤 弓弦, 諏訪 喜昭
    2025 年40 巻4 号 p. 246-253
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
    MPS(Microphysiological System)は、微小流路による灌流やヒト細胞を用いた三次元的な組織の配置を可能としたことから、高い生体模倣性を有するシステムとして期待されている。2022年に制定されたFDA近代化法2.0の中で、創薬における動物実験の義務付けが廃止され、MPSが動物試験代替法の一例として明示されたことは、医薬品開発における評価体系が従来の動物モデル中心から、ヒトの生理機能を模倣した新しい技術へと移行しつつあることを示す大きな転換点である。今後、特異性の高い抗体や標的部位の微小環境に大きく影響を受ける細胞などを用いたモダリティにおいては、適切に動物実験と動物実験代替法を選択・活用することが求められる。本稿では、「動物実験代替法」および「ヒト生体模倣系」という観点から、アカデミアでのMPS開発の現状と今後の展望について議論する。
  • 今岡 知己, 小渕 航
    2025 年40 巻4 号 p. 254-262
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
    医薬品の研究開発において動物実験は薬物動態や安全性、薬効評価に重要であるが、動物福祉の観点から代替手法が求められている。したがって、前臨床研究のヒトへの外挿性を向上させるため、ヒトの生理的反応を再現できる新しいin vitroモデルの必要性が高まっている。ヒト生理的反応を再現する技術の一つとして生体模倣システム(Microphysiological systems:MPS)が注目されており、新薬の研究開発成功率の向上に繋がることが期待される。本稿では、MPSが創薬に与える貢献や、具体的な活用事例を製薬企業の視点から概説する。さらに、中枢神経を標的とした薬物送達システム研究におけるMPSの具体的な活用事例を紹介する。
  • 市川 克臣
    2025 年40 巻4 号 p. 263-274
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
    がん領域での創薬研究では、臨床への予測精度の高いデータを提供する患者由来組織を活用したin vitroモデル、ex vivoプラットフォームおよびtumor-on-a-chipなどが開発されている。これらにより作用機序の解明や患者層別化の研究が可能になり、結果的に迅速な新規開発候補化合物の評価や効率的なトランスレーショナルリサーチに繋がる。さらに、ハイコンテンツイメージング技術や多種多様ながん組織を含むバイオバンクを組み合わせることで、創薬研究に大きな価値が提供される。これらの技術を統合したプラットフォームは、動物実験における倫理的な原則の3R(Refinement:苦痛の軽減、Replacement:代替法の利用、Reduction:動物利用数の削減)に寄与するのと同時に、臨床試験での成功率を改善し、コスト削減を通じて医薬品開発プロセスを効率化し、最終的には革新的新薬の承認の迅速化に貢献することが期待される。
  • 内田 あや, 田淵 紗和子
    2025 年40 巻4 号 p. 275-282
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
    医薬品開発における前臨床試験では、現時点で動物実験を完全に排除することは困難である。一方、動物実験で得られた結果がどれだけヒトに外挿可能かという点は、依然として大きな課題である。本稿では、動物使用を最小限に抑えつつ、臨床予測性に優れた前臨床評価を可能とするマウスモデルの活用法を提案する。免疫系ヒト化マウスや遺伝子ヒト化マウスをはじめとする「よりヒトに近い」マウスモデルの紹介に続き、その可能性と将来展望を議論する。さらに、より良い動物使用を目指すための、マウスにおける動物福祉の3Rs(Replacement:代替、Reduction:削減、Refinement:洗練)の具体的な実践方法について紹介する。マウスは所詮マウスに過ぎないのか?本稿ではそうした通念を覆す、マウスのもつ可能性の一端を紹介する。
  • 福田 隆之, 廣田 耕志
    2025 年40 巻4 号 p. 283-296
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
    TK6細胞はヒト由来のp53野生型リンパ芽球細胞株であり、OECDガイドライン準拠の小核試験(TG487)および遺伝子突然変異試験(TG490)に用いられる高信頼性のin vitroモデルである。p53機能が保たれているため偽陽性率が低く、ヒトへの外挿性にも優れる。近年では、error-corrected NGSやMultiFlowアッセイなどの先端技術に応用され、メカニズム解析や新規指標の開発に貢献している。さらに、DNA修復機能を欠損させたゲノム編集細胞株も確立され、基礎研究にも活用されている。各種規制当局への申請データとしての利用も進んでおり、本稿では、TK6細胞の動物実験代替としての有用性と今後の展望について概説する。
  • 足利 太可雄
    2025 年40 巻4 号 p. 297-303
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
    動物実験代替法の必要性の高まりに対応し、行政活用の観点からそれらを適切に評価・検証する目的で、2005年国立医薬品食品衛生研究所に日本動物実験代替法評価センター(JaCVAM)が設置された。本稿ではまずJaCVAMの役割について説明し、中でも標準化に必須のプロセスであるバリデーションの実際と、今後全身毒性等、複雑な毒性に対応するための、その見直しの現状について報告する。さらに、実際に日本で開発されたOECDテストガイドラインを例に挙げ、AOP開発からディファインド アプローチ開発までの流れについて具体的に紹介する。最後に、化学物質の毒性評価以外の動物実験代替法の標準化の例として、日本薬局方と医薬部外品ガイダンスにおける筆者の取り組みについて紹介する。
DDS製品開発の最前線
  • 田中 朋代
    2025 年40 巻4 号 p. 305-310
    発行日: 2025/09/25
    公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー
     メラノサイト含有自家培養表皮「ジャスミン」(一般的名称:メラノサイト含有(自己)表皮由来細胞シート)は、2023年3月に製造販売承認を取得し、2024年10月に保険収載された再生医療等製品である。本品は患者自身の正常な皮膚組織からメラノサイト(色素細胞)を含む表皮細胞を分離・培養し、シート状の構造を形成した表皮細胞シートであり、白斑(非外科的治療が無効または適応とならない白斑)の治療に使用される。白斑病変部の表皮を剥削(除去)した創面に本品を移植すると、患者自身のメラノサイトが表皮細胞とともに供給されることにより色素再生(repigmentation)に至る。
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