Drug Delivery System
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ISSN-L : 0913-5006
最新号
日本DDS学会
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
年頭にあたって
FOREWORD
OPINION
特集 “社会の「不」とDDS”  編集:狩野光伸
  • 狩野 光伸
    2022 年 37 巻 1 号 p. 8-16
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/04/25
    ジャーナル フリー
    2022年学術集会のテーマとした「不」とは、不思議、不明、不憫、不治、不便、不安、などの「不」であり、臨床現場や社会がまだ答えをもたない状態を意味する。これを把握し、活動を進めることで、DDSの新たな展開も生まれていかないか、という期待である。「イノベーション」の意味は、人間の欲求充足の観点による「新しい組み合わせ」により、非連続的な新規性を獲得することである。「不」とDDSの組み合わせで何が生まれるか。医療の「不」は、大きく「死を避けるには」から、「より思った通りに時間を過ごせるためには」に変わってきた。つまり症状制御が主な対象になりつつある。これを疾患ごとに概観する。社会における「不」であるSDGsも、その根幹は「より自分を発揮できる個人を増やすには」という通底する問いがある。
  • 森田 瑞樹
    2022 年 37 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/04/25
    ジャーナル フリー
    治療薬を患者の体内に最適なタイミングで最適な量を投入することができれば、あるいはそうすることによって至適濃度を維持し続けることができれば、現在よりも高い質の治療を提供できるはずである。そのための戦略はいくつか考えられるが、1つの方法は、患者の状態や治療薬の体内濃度をモニタリングし、そこから投薬あるいは服薬のタイミングと量を推定することである。本稿では、治療の最適化に向けて実施されているデジタル技術を活用したバイオマーカーおよびデジタルバイオマーカーの研究および開発を、いくつかの疾患と症状(糖尿病、パーキンソン病、喘息・COPD、痛み・かゆみ、高血圧)について紹介する。
  • 内田 智士
    2022 年 37 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/04/25
    ジャーナル フリー
    新型コロナウイルスのパンデミックは、医療、社会生活の「不」となったが、mRNAワクチンが速やかにこの「不」に応えた。一方で、日本のワクチン開発における遅れは、供給や経済的な面で「不」となっている。mRNAは、がん、遺伝性疾患の治療といった感染症予防ワクチン以外の分野でも有望であり、将来、少子高齢化社会の医療における「不」に応えるであろう。mRNAワクチン開発にDDS技術が重要な役割を果たしてきたことを鑑みると、日本には、独自のDDS技術を基盤として、今後のmRNAワクチン、医薬の開発に貢献できる余地が大いにある。本稿では、DDSに絞り、脂質や高分子を用いた人工mRNAナノ粒子の設計から、天然由来の細胞外小胞、naked mRNAの利用に至るまで、さまざまなシステムを紹介する。
  • 長田 健介
    2022 年 37 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/04/25
    ジャーナル フリー
    粒径50 nmより大きなナノメディシンは膵臓がん細胞にアクセスできない。このことは、持続長50 nmの堅さをもつ半屈曲性高分子DNAを膵臓がん細胞に送り届けることはできないことを示している。がん細胞を覆う線維性の間質がバリアとなっているためである。逆にいえば、50 nm以下にすれば届くことを意味している。本稿では、高分子でつくる遺伝子ベクターの基本的な設計指針を述べた後、堅さの起源となっている二重らせん構造を解放することでDNAを持続長以下に折りたたみ、間質を通り抜けるよう極小化する話をする。これにより、届かないの“不”が克服され、膵臓がん細胞で遺伝子発現させることが可能になる。
  • 長谷川 宏之
    2022 年 37 巻 1 号 p. 54-62
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/04/25
    ジャーナル フリー
    バイオベンチャーは生命科学・医療の進展や製薬産業の隆興に「不可欠」な存在である。また、ベンチャーを取り巻くエコシステムの形成も重要である。ベンチャーキャピタル(VC)がベンチャーの起業を促し「不確実」な事業ステージに対しリスクマネーとして投資を行い、「不連続」な事業成長を支える。国内のベンチャーエコシステムにはさまざまなネガティブな「不」が存在するが、各プレイヤーはそれらの成長を期待し「不撓不屈」の意志で取り組んでいる。ベンチャーの起点となるアカデミアでの創薬研究は、目の前にいる患者を治したいという想いが原点であり、強いアンメット・メディカル・ニーズがある。VCとしてアカデミア技術の社会実装の動きに注目し「不」に応えていきたい。
  • 長江 敏男
    2022 年 37 巻 1 号 p. 63-70
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/04/25
    ジャーナル フリー
    DDS創薬は既存原薬に対して、臨床効果、経済効果など、圧倒的優位性を提供できる。優位性を実現するには、臨床開発戦略と薬価を含む事業化戦略との切磋琢磨、整合性が欠かせない。筆者らは、シーズ思考およびニーズ思考と2つの異なる視点から製品像TPPをデザインする。患者、医師、パラメディカル、行政当局、保険者、製薬企業にとって6方よしを実現する前提で、当該製品の事業価値を最大化するよう、R&D/事業化戦略部門がインタラクションしている。本稿では、当該適応症における患者数、薬価、製造原価、R&Dコスト、営業利益を含む定量予測モデルの概念を紹介している。
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