抄録
現在、経口コントロールドリリース技術を適用した製品は、DDS製剤全体の中核を担っており、薬物治療に大いに貢献している。医療現場が医薬品に求める機能が多様化し、製品の少量多品種化が進むことが予測される一方で、科学の進歩にともない、コントロールドリリース製剤技術は特殊技術から汎用技術へと移りつつある。今後もコントロールドリリース製剤技術が貢献を続けるためには、従来とは異なる視点から製品価値を創造することが求められる。本稿では経口コントロールドリリース製剤の開発状況を概観した後、薬物乱用防止、アドヒアランスの改善、ドラッグ・リポジショニング、リフォーミュレーションを切り口として、経口コントロールドリリース製剤技術が創り出す新たな価値について触れてみたい。