抄録
筆者らは、薬剤溶出ステントにおいて課題となっているステント血栓症のリスクを下げるために、曲がった血管にも圧着しやすい柔軟なステントプラットフォームの開発とともに、徐放性と構造的完全性を考慮した新たな賦形剤の開発、さらには血管内皮細胞が再生する内腔側およびコーティング層の剥離リスクが高いヒンジ部分に薬剤層をコーティングしないユニークなアブルミナル グラジェントコーティング技術の開発を通して、第3世代の薬剤溶出ステント:アルチマスター®を開発した。第3世代DESの登場によってステント血栓症のリスクは大きく減少することが期待されている。今後のDES開発は、長期予後の改善に向けた取り組みにシフトしつつある。