Drug Delivery System
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特集 “DDSを支える高分子 ―ポリエチレングリコール―”  編集:長崎幸夫
PEGジレンマ-生体内安定性と細胞内動態の制御によるがんへの遺伝子・核酸デリバリー
畠山 浩人原島 秀吉
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2016 年 31 巻 4 号 p. 293-299

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抄録
核酸医薬のがん治療への応用にはDDSが必要不可欠である。血中投与後のがんへの送達には、DDSへのPEG修飾による血中滞留性向上とEPR効果が重要であるが、これは同時に標的細胞における著しい活性の低下を引き起こす。この体内動態と細胞内動態に対する相反するPEGの性質を「PEGのジレンマ」として提唱し、この問題の解決が、効率的なDDS開発にとって最も重要な課題であると考えている。本稿ではこのPEGのジレンマの解決にむけた筆者らの戦略や取り組みについて紹介したい。
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© 2016 日本DDS学会
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