Drug Delivery System
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特集 “感染症領域におけるDDSの活用”  編集:栁原克紀
抗菌薬のPK/PDに関する薬物動態学的視点からの考察
北村 嘉章
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2018 年 33 巻 1 号 p. 10-17

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抄録
抗菌薬研究の領域では、in vivo効果を予測するために、経験的に3つの指標(AUC/MIC、Cmax/MIC、time above MIC)が抗菌薬の性質によって使い分けられる。PK/PD index mapは、PK/PD数理モデルによるシミュレーションに基づいて、任意の抗菌薬について最適な指標を容易に提示できるので、創薬研究や臨床現場での有用性が期待される。多くの場合にPK/PD index mapの推奨する指標は経験的な分類と一致したことから、経験的分類の妥当性がPK/PD数理モデルによって裏付けられたと考えられる。PK/PD index mapでは、任意の抗菌薬について、臨床効果を得るために望ましい体内動態的特性を知ることができるので、化合物選定後のDDS研究における合理的目標設定にも活用可能である。
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© 2018 日本DDS学会
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