抄録
光免疫療法は、光感受性物質と抗体を結合させた薬剤とレーザ光照射を組み合わせて、腫瘍細胞を選択的に破壊するこれまでとは異なる治療法である。EGFRを標的とするアキャルックスⓇとレーザ光照射デバイスであるBioBladeⓇレーザシステムは、日本で世界に先駆けて2020年に「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」の適応で承認され、頭頸部アルミノックス治療として頭頸部外科および歯科口腔外科で実臨床に導入され、治療効果やQOL維持、安全性に関して良好なリアルワールドデータが蓄積されつつある。現在は同剤の他がん種への展開に加え、腫瘍免疫微小環境を標的とする新規薬剤の開発も進められており、今後の発展が期待される。