2009 年 29 巻 2 号 p. 177-182
インプラント手術にともなう外科的侵襲をできるだけ小さくすることにより, 患者の肉体的苦痛や経済的負担を軽減するだけでなく, 手術の手間や偶発症のリスクを回避し, 最終補綴処置までの治療期間を短縮することは, 患者と術者の双方にとって非常に望ましい治療法である. このような観点から, 歯科インプラントの最新の潮流として, 埋入手術から最終補綴までのインプラント治療を低侵襲にしようとする試みがある. 本稿で紹介した自家骨移植を回避するための数々の手法や, インプラント埋入本数の少数化の試み, あるいは最新のコンピューターガイドを併用したFlapless surgery (Non-flap surgery) によるインプラント治療は, 臨床的に非常に有用であり, 今後ますます普及すると思われる.