Dental Medicine Research
Online ISSN : 2186-540X
Print ISSN : 1882-0719
ISSN-L : 1882-0719
症例報告
口底部に生じた巨大な類皮嚢胞の一例
野上 以織豊島 貴彦栗原 祐史佐藤 華代田 達夫新谷 悟
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 30 巻 2 号 p. 156-160

詳細
抄録

無痛性に増大した50 mmを超えた舌下型類皮嚢胞を経験したので報告する. 症例は29歳女性で, 近歯科にて口底部の腫脹を指摘され, 平成21年6月, 紹介により当科を受診した. 初診時, 口底部に無痛性, 弾性軟の膨隆を認め, 二重舌を呈していた. 咬頭嵌合位をとることは可能で, 舌の運動, 構音, 摂食嚥下などの明らかな機能障害は認めなかったが, 就寝時に呼吸苦を自覚していた. MRI所見ではT2強調画像において辺縁部分に強い高信号, 内部に不均一な低信号を示す50×30×30 mm大の類円形, 境界明瞭な嚢胞性病変を認めた. 平成21年9月, 全身麻酔下で口内法による嚢胞摘出術を施行した. 術後, 口底部の腫脹による気道狭窄が懸念されたため, 挿管および鎮静を18時間継続して経過観察を行った. 嚢胞は病理組織学的に類皮嚢胞と診断された.

著者関連情報
© 2010 昭和大学・昭和歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top