Dental Medicine Research
Online ISSN : 2186-540X
Print ISSN : 1882-0719
ISSN-L : 1882-0719
クリニカル・テクノロジー
歯科口腔外科手術の気道確保
―挿管困難症例について―
五島 衣子
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 30 巻 2 号 p. 183-188

詳細
抄録

歯科口腔外科の全身麻酔は腫瘍摘出術, 顎変形症, 骨折, のう胞摘出術などの口腔外科手術症例, インプラント手術, 障がい者の全身麻酔下歯科治療などが対象に行われている. 歯科口腔外科手術の麻酔では手術野と気道が一致するため, 麻酔医は患者の気道から離れて管理をしなくてはならない. また手術前からの開口制限や顔面の変形, 先天的な原因や外傷による気管挿管, 気道管理が困難な症例がある. 気道の問題は周術期に脳障害や死亡の原因となる可能性があり, 重大な問題である. 挿管困難が予想される場合にはファイバースコープやトラキライト, 新しく開発された挿管補助道具などを使用している. また周術期のパルスオキシメトリー (動脈血酸素飽和度) や終末呼気炭酸ガス濃度測定 (カプノグラム) の使用は呼吸や循環系のモニターとして重要である.
歯科口腔外科の気道確保の特徴と挿管困難症に対する最近の状況について述べる.

著者関連情報
© 2010 昭和大学・昭和歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top