Dental Medicine Research
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クリニカル・テクノロジー
励起蛍光のう蝕象牙質診断と治療への応用
長谷川 篤司
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2013 年 33 巻 3 号 p. 259-264

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抄録

総合診療では「う蝕」に対する保存的治療として管理(Management)を重視している.波長約400nmの青色可視光を利用した励起蛍光は,う蝕象牙質の精度高い診断や経時的な病態管理に応用できると期待されている.本稿では,非接触型う蝕診断システムについて説明するとともに,当教室において行ってきた関連研究を紹介する.
市販う蝕認識システムVISTACAM-PはC0,C1,C2を識別していないが,その計測値はDIAGNOdentと同様にう蝕の経過観察,治療介入の判定に有意義な数値であった.また,波長約400nmの励起光を照射すると,健康象牙質では480nm付近に単独のピークを持つ蛍光スペクトルが,う蝕象牙質では600nmと770nmの間で3つのピークを持つ蛍光スペクトルが励起蛍光スペクトルとして確認された.現在,超音波治療器具に波長約400nmのLED光源を搭載した試作う蝕象牙質認識・除去システムの臨床応用を検討している.

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© 2013 昭和大学・昭和歯学会
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