昭和歯学会雑誌
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アルミナジェットKCP2001Jの窩洞形成への臨床応用
松本 光吉若林 始立花 均
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1996 年 16 巻 4 号 p. 451-456

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抄録

本研究の目的は, 窩洞形成用として, 最近, 黒田精工KKによって開発されたAluminaKCP2001Jに関する臨床的効果と有用性について評価することである.30人の患者の30歯, 齲蝕や歯頸部楔状欠損, 歯頸部象牙質知覚過敏を伴った症例を本験に使用した.酸化アルミニウム粉末の直径は27μmのものと50μmのものが窩洞形成として使用された.その結果, 以下のような結果を得ることができた.1.30症例中28症例の1級および5級窩洞形成が痛みなく形成することができた (93.3%).1例は軽度の, もう一例は中等度の痛みが生じた.これらの痛みが生じなかった群と痛みが生じた群の間には統計学的に有意差 (P<0.01) が認められた.2.Alumina Jet KCP2001Jによる窩洞形成中に不快感を感じた患者はいなかった.3.アレルギーなどの副作用は生じなかった.4.術後約7日, 30日の臨床診査で特記すべき症状を示した症例は無かった.窩洞はレジンで充填した.以上の結果から, Alumina Jet KCP2001Jによる窩洞形成は臨床的に有用で安全な方法と言うことができる.

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