昭和歯学会雑誌
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顎裂への自家骨移植を併用することにより非補綴的に咬合の再構成をおこなった片側性唇顎裂の一治験例
稲見 宇柳平川 崇鐘ヶ江 晴秀柴崎 好伸
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1999 年 19 巻 2 号 p. 201-211

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抄録

本学口蓋裂診療班形成外科にて3か月時にMillard変法にて初回口唇形成術を行った後, 6歳時より当矯正科において咬合の管理を開始し, 乳歯列期より永久歯列完成に至るまで10年間の咬合管理を行った片側性唇顎裂例について報告する.治療目標として, 顎裂部を含めて非補綴的な咬合の再構成をあげ, そのために13歳時に自家腸骨移植を併用した顎堤形成術を行い結果として安定した咬合を得た症例である.一例報告ではあるが同一医療機関で長期管理を受け, 継続的に一連の資料がそろい, 非補綴的治療が可能であったことからも同疾患に対する今後の取り組みに示唆を与えるものと考える.

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