昭和歯学会雑誌
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成人女性骨格性下顎前突症の術前矯正治療におけるsymphysisの形態変化
井上 愛平出 隆俊
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2002 年 22 巻 4 号 p. 372-378

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抄録

昭和大学歯科病院矯正科にて外科矯正治療を行った成人女子骨格性下顎前突20症例の治療開始時, 術前矯正終了時の側方頭部X線規格写真を用い, 下顎前歯の位置変化とsymphysisの変化様相を追究し, 以下の結論を得た.1.矯正治療による側方頭部X線写真の角度変化は, 下顎前歯歯軸の唇側傾斜, ∠FMIAの減少であった.2.symphysis形態変化はB'-MeとAp′-Meの減少であった.3.治療開始時の∠ANBと∠L1to Mandibular plane, また, 術前矯正終了時の∠SNBと∠FMIA, ∠ANBと∠FMIAに相関を認めた.4.B′-Meの変化量とAp'-Meの変化量に相関を認めた.5.治療開始時の側方頭部X線写真角度計測 (∠SNB, ∠ANB, ∠L1to Mandibular plane, ∠FMIA) とsymphysis形態の動的治療変化に相関はみられなかった.これらの結果から, 下顎前歯歯軸変化はsymphysisの形態変化と関連があること, また根尖の舌側への位置変化はB点の舌側への位置変化に関与していることが示唆された.

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