1983 年 3 巻 1 号 p. 92-97
シリコーソ系印象材4種を, HBV感染症に有効とされている0.5%イルガサンアルコール, 2%グルタールアルデヒドに浸漬後に製作した模型面上での寸法変化, および表面あらさを比較, 検討した.その結果, 2%グルタールアルデヒドを使用したほうがどの印象材に対しても影響が少なかった.縮合型シリコーン印象材であるtosicon, xantoprenでは消毒液浸漬による影響が, 表面あらさより, 寸法変化に強く現われる傾向が見られ, 付加重合型シリコーン印象材では, これとは逆に, 表面あらさに強く影響が現われる傾向が見られた.消毒液別に見ると, exaflex, xantopren, tosicon2回法は, 消毒液の違いによる差はほとんど見られなかったが, president, tosicon1回法では, グルタールアルデヒドに浸漬したほうが表面あれは少なかった.印象法については, 単層1回印象法, スペーサー使用の積層2回印象法を行ったが, 一般に2回法のほうが各印象材ともに消毒剤による影響は少なかった.