昭和歯学会雑誌
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コンポジットレジンの種類がwall-to-wall contractionに与える影響
伊藤 和雄和久本 貞雄
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1985 年 5 巻 2 号 p. 113-117

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抄録

コンポジットレジンの重合方式, 環境温度, およびフィラ-含有量が象牙質に対する接着性に与える影響を検討するために, 従来型, マイクロフィラーまたはサブミクロソフィラーを含有する化学重合型および可視光線重合型合計5種類のコンポジットレジソを用いて, 象牙質円柱窩洞内でのwall-to-wall contraction gap を比較計測した.その結果, 今回用いたコンポジットレジンの象牙質窩壁への適合性は, 重合方式および環境温度に影響を受け, 24±1℃の条件下では可視光線重合型レジンの象牙質に対する接着性は, 化学重合型レジンに比較して有意に劣っていた.しかしながら, 試片作製および観察を36.5±1℃の温度条件下で行うと, このような重合方式による接着性の差は見られなかった.すなわち, 可視光線重合方式によると, 重合が比較的短時間に完了するために, 低温 (24±1℃) では, 窩壁と十分に密着しながら硬化することが不可能であろうと考えられた.

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