2004 年 114 巻 12 号 p. 1905-1909
顔面の腫瘍切除後再建には種々の局所皮弁が用いられている.しかし顔面には眼瞼,眉毛,外鼻,口唇,耳介など動かせないlandmarkが多く存在するため大きな欠損に局所皮弁は適応しにくい.bilobed flapは主として外鼻の欠損に用いられてきた局所皮弁である.顔面の腫瘍切除後の皮膚欠損5例に対してbilobed flapを用いた再建を行い,整容的に満足できる結果を得た.bilobed flapは局所麻酔下で比較的大きな欠損にまで対応できる低侵襲で有用な皮弁であると考えられた.