日本皮膚科学会雑誌
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原著
尋常性天疱瘡における脱毛の本態は“hair Nikolsky現象”である―自験例に基づく発症のメカニズムとその臨床的意義についての考察―
福山 雅大安田 文世舩越 建山上 淳天谷 雅行大山 学
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2014 年 124 巻 11 号 p. 2119-2126

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抄録

尋常性天疱瘡(PV)は抗デスモグレイン(Dsg)抗体により皮膚や粘膜に水疱,びらんを呈する疾患である.脱毛もPVの症状とされるが頻度は少ない.我々は脱毛を伴うPVの症例を経験し,その特徴や臨床的意義の明確化を試みた.特記すべきは脱毛斑ではなく外毛根鞘を付けた成長期毛が抵抗なく抜去される易脱毛性であった.採取毛の表皮細胞間にはIgGが沈着し,Dsg1, 3の発現の低い部分に棘融解像が見られた.また皮膚所見の軽快とともに抜毛されなくなったことから,PVの脱毛の本態はNikolsky現象であり,その評価は臨床経過のモニタリングに有用と考えられた.

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© 2014 日本皮膚科学会
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