2014 年 124 巻 14 号 p. 3149-3156
粘膜型HPV感染症は性感染症の一つであるが,病因・病態論的多様性と共に不顕性感染の多いことが分かり,無症候性キャリアーの問題が出て来ている.したがって粘膜型HPV感染症は,顕性病変である尖圭コンジローマやボーエン様丘疹症等“clinical infections”の他に,通常では病変を認めない“subclinical infections”や“latent infections”を念頭に考える必要がある.本稿では,粘膜型HPV感染症の多様性,診断・治療面でのトピックスや性感染症としての最近の動向と問題について述べた.