日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
症例報告
サルコイドーシスと診断されていた多菌型ハンセン病の日本人新規発症例
西口 麻奈渡邊 有史上中 智香子古川 福実小森 涼子安井 昌彰村田 顕也伊東 秀文立石 千晴鶴田 大輔石井 則久金澤 伸雄
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 126 巻 13 号 p. 2433-2439

詳細
抄録

大阪府出身の74歳男性.65歳時に四肢の異常感覚が出現し,67歳頃から歩行困難となった.70歳時に顔面と四肢に環状・不整形の浸潤性紅斑が出現し,73歳時に皮膚病理所見と血中ACE高値からサルコイドーシスと診断され,以前から腎障害に対して内服していたプレドニゾロンを継続した.74歳時に当院神経内科に入院し多発性単神経炎と診断され,皮疹について当科紹介となった.兎眼を呈し,皮膚スメア検査と病理組織のFite染色にて多数のらい菌を認め,多菌型ハンセン病と診断した.多剤併用療法にてスメア菌量は減少したが,血中ACE値上昇を伴って皮疹と神経症状が徐々に悪化したため,1型らい反応と診断しプレドニゾロンを増量した.

著者関連情報
© 2016 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top