日本皮膚科学会雑誌
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症例報告
Crohn病を合併した肉芽腫性口唇炎の1例―国内報告例のまとめと病理組織像の検討―
福井 玲矛角田 加奈子大西 正純天野 博雄
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2024 年 134 巻 10 号 p. 2565-2571

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抄録

12歳女児.初診1カ月前から口唇の腫脹があり,生検にて肉芽腫性口唇炎と診断した.トラニラスト,プレドニゾロン内服で改善傾向にあったが,プレドニゾロン漸減中止後に,肛門痛および肛門からの排膿が出現し,小児科での精査でCrohn病と診断された.本邦からの肉芽腫性口唇炎とCrohn病合併例の報告では,発症は10代に多く,口唇炎後にCrohn病を発症する症例が多かった.肉芽腫性口唇炎の病理組織では粘膜固有層のリンパ管拡張,リンパ管近傍の肉芽腫形成,リンパ管内の組織球浸潤がみられることが特徴と考えられる.

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