抄録
Hewlett(1909)によつて始まる容積脈波に関する研究は,その後次第に盛んになつたがその装置の理論的不備は免れず,また採取部位が広範な為に描かれた曲線は容積変化の綜合的結果を表わすのみであつた.近年に至り光電池又は光電管の応用によつて人体末梢部に於ける脈波に伴つた血流量の変化を容易に記録し観察し得る様になつた.これを各種の循環障碍に対する研究に利用した業績はDillon & Hertzman及び古林以来内外共に比較的数多く見出されるが,皮膚科領域に導入し,皮膚疾患の発症内因の探究に応用したものには末端紫藍症に関するBlaich & Gerlach及び乾癬,エリテマトーデス並びに鞏皮症に関するHuff及びTaylorの業績に接するのみである.余は多数の皮膚疾患々者に就き指端脈波(以下PGと略)の検索を行つた.