有毛性母斑に白毛を混ずるものは,Schein,Frohn,小嶋によつて報告され,Scheinはその原因を母斑細胞が多量のメラニンを奪うため,毛のメラニン欠乏を来たすことであると考えた.われわれは肩甲部,頭部に母斑を有し,剛毛密生し,それに白毛を混ずる同様な症例(第2例は小嶋既報のもの)につき,PAS-haematoxylin,haematoxylin-eosin及びワンギーソン染色による連続切片標本,DOPA-Unna Pappenheim染色,HE染色標本により,後述する母斑細胞と自毛との関連性につき考察を行なつた.