抄録
点状集簇性母斑(非エクリン中心型)7例の皮膚]R削術後の特異な臨床経過を示す再生色素斑を蛍光法(Falck & Hillarp)をもって経時的に観察し,次の結論を得た.表皮形成完了と相前後して,毛包並びにエクリン汗管に由来する,特異蛍光を発する樹枝状メラニン産生細胞が再生表皮の基底層,ときに有棘層内にも出現する.術後3~4ヵ月では上記細胞は樹枝状の性格を失い表皮基底層及び附属器,ことに毛包並びにエクリン汗管壁に集合し,境界部活性を示す.さらに経過すると,母斑細胞は附属器に沿って]R削術による瘢痕組織下層へと滴落して,臨床的にふたたび点状小色素斑を再現する.再生早期色素斑に観察される樹枝状メラニン産生細胞はいまだ境界部活性を示すに至らない分化不十分な母斑細胞と考えた.また,本細胞はエクリン汗管にも存し,境界部活性を形成するところから,毛包中心型点状集簇性母斑も病理発生的にはエクリン中心性にも母斑細胞の増殖がおきうる;通常の色素細胞母斑の再生に際しても,毛包のみならずエクリン汗管も重要な役割を演じている;エクリン中心型母斑でもエクリン起源母型の可能性があるなどの点が示唆された.