1978 年 88 巻 14 号 p. 973-
Bence Jones 蛋白陽性の原発性全身性アミロイドーシスの1例より皮膚病変部を生倹し末梢血管周囲と間葉系細胞周囲のアミロイド細線維の局在を検討した.末梢血管では細静脈のみならず,毛細血管,細動脈周囲にもアミロイド細線維は局在した.この部分の血管基底膜は不明瞭となり,アミロイド細線維におきかえられていた.血管内被細胞内には多数の空胞があり,その一部には線維状構造を有していた.血管内被細胞膜の基質側では細胞膜の湾入部よりアミロイド束がみられた.血管内被細胞間の tight junction は解離していた.間葉系細胞に隣接したアミロイド細線組塊は連続切片で観察すると,開葉系細胞より,アミロイド束が出て,これと連続していた.上記の事実を報告するとともに,皮膚でのBence Joties 蛋白とアミロイド細線維との関係もあわせ論じた.