本研究は,伸張性収縮を用いたトレーニングの1日前に行う温熱処置が,筋損傷および筋痛の軽減に有効かを明らかにすることであった.一般成人男性13名が本実験に参加し,伸張性運動の1日前に処置を行わない群(CON:n=7),または上腕屈筋群に対してマイクロ波治療器による温熱処置(150W,20分間)を行う群(HEAT:n=6)のいずれかに群分けされた.被験者は伸張性運動(10回×3セット)を,週に2回,2週間の計4回を行った(ECC1-4).筋損傷・筋痛を評価するために,被験者は,最大等尺性筋力,肘関節可動域,上腕周径囲,血中CK活性,および筋痛の測定を受けた.その結果,ECC3の前後における肘関節可動域が,CON群と比較してHEAT群で有意に大きかった.しかし,その他の指標に差は認められなかった.温熱処置と伸張性運動の反復は,筋痛の発現の程度を抑制しないが,筋損傷の一部症状を早期に回復させる可能性が示唆された.