[背景]知的障害を有するアスリートを対象としたスポーツ外傷・障害,疾病の調査はほとんど行われていない.本研究は,スペシャルオリンピックスアスリートにおけるスポーツ外傷・障害,疾病の発生率と特徴を明らかにすることを目的とした.
[方法] 2024年第8回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲームおよび2025年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・トリノに参加したアスリート総計503名,アスリートと一緒にスポーツを行うユニファイドパートナー (健常者) 総計30名を対象とし,スポーツ外傷・障害,疾病の発生件数,1000Athlete-daysあたりの発生率,発生の機序や様式などを調査した.
[結果] 調査期間中 (ナショナルゲーム6日間,ワールドゲーム7日間) に合計31件の外傷と疾病 (Any complaint) が発生した.1000Athlete-daysあたりの発生率はナショナルゲーム9.6,ワールドゲームのアスリートで93.8,ユニファイドパートナーで83.3であった.そのうち,スポーツ活動を中止せざるを得ないTime-lossの外傷と疾病はナショナルゲームで2件 (2.1/1000 Athlete-days ),ワールドゲームで4件 (21.7/1000 Athlete-days) 発生し,いずれもアスリートのみあった.Time-loss以外の外傷と疾病では,発生機序や臨床所見が不明確な訴え,気分・感情障害や既往症の悪化も確認された.
[結論] 知的障害アスリートにおけるスポーツ外傷・障害,疾病は,重症例から既往歴の悪化まで多岐にわたった.
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