運動トレーニングは皮下脂肪組織の熱産生機能を向上させる効果を有することが報告されているが,この現象の分子メカニズムについては不明である.本研究では,運動トレーニングによる脂肪組織の熱産生機能の向上に対する免疫担当細胞の役割を検討することを目的とした.C57/BL6J雄マウス18匹を通常食餌+安静群,高脂肪食餌+安静群,高脂肪食餌+運動トレーニング群に群分けした.運動トレーニングは走行運動を1日60分間,週5回の頻度で8週間実施した.本研究の結果,高脂肪食餌負荷により減少する皮下脂肪組織のUCP-1およびベージュ細胞マーカーのmRNA発現は運動トレーニングにより増加が認められた.マクロファージマーカーと炎症性サイトカインの発現は高脂肪食餌負荷により増加が認められるが,これらの発現は運動トレーニングにより減少が認められた.以上のことから,運動トレーニングによるUCP1発現の増強には,マクロファージの浸潤抑制を介した慢性炎症の減弱が関与している可能性がある運動トレーニングは皮下脂肪組織の熱産生機能を向上させる効果を有することが報告されているが,この現象の分子メカニズムについては不明である.本研究では,運動トレーニングによる脂肪組織の熱産生機能の向上に対する免疫担当細胞の役割を検討することを目的とした.C57/BL6J雄マウス18匹を通常食餌+安静群,高脂肪食餌+安静群,高脂肪食餌+運動トレーニング群に群分けした.運動トレーニングは走行運動を1日60分間,週5回の頻度で8週間実施した.本研究の結果,高脂肪食餌負荷により減少する皮下脂肪組織のUCP-1およびベージュ細胞マーカーのmRNA発現は運動トレーニングにより増加が認められた.マクロファージマーカーと炎症性サイトカインの発現は高脂肪食餌負荷により増加が認められるが,これらの発現は運動トレーニングにより減少が認められた.以上のことから,運動トレーニングによるUCP1発現の増強には,マクロファージの浸潤抑制を介した慢性炎症の減弱が関与している可能性がある.