デサントスポーツ科学
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研究論文
周期的低圧低酸素環境下の持久性および自重運動が食後高血糖抑制効果に与える影響
西村 一樹長﨑 浩爾
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2020 年 41 巻 p. 117-125

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抄録

周期的低圧低酸素環境を模擬したシステムを開発した.本研究は高度換算1,500mの周期的低圧低酸素環境の運動と糖負荷試験中の生理応答の関連性を明らかにすることを目的とした.対象者は実験1が13名,実験2が8名であった.対象者には研究参加の同意を得た.対象者は120分間の糖負荷試験中に持久性運動(実験1)と自重負荷運動(実験2)を実施した.持久性運動は最大酸素摂取量の40%の自転車漕ぎ運動を18分間とした.自重負荷運動は3セット(1セット10回)のスクワットとした.測定条件は高度換算1,500m周期的低圧低酸素環境(周期的)条件,高度換算750m一定(一定)条件,常圧常酸素環境(対照)条件の3条件とした.糖負荷試験中の脈拍数,収縮期血圧,拡張期血圧,動脈血酸素飽和度,血糖値を測定した.運動中は心拍数,動脈血酸素飽和度,主観的運動強度を測定した.動脈血酸素飽和度は周期的条件が有意な低値を示した.脈拍数,収縮期,拡張期血圧は3条件間に有意な差が観察された.3条件間の血糖値に有意な差は観察されなかった.周期的低圧低酸素環境下における耐糖能は運動を負荷することによって3条件間に有意な差が観察されないことが明らかになった.

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© 2020 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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