Diatom
Online ISSN : 2186-8565
Print ISSN : 0911-9310
ISSN-L : 0911-9310
Article
日本から見出された淡水生 Ellerbeckia 属の3分類群
田中 宏之南雲 保
著者情報
キーワード: Ellerbeckia, fossil, freshwater, Japan, recent
ジャーナル フリー

2014 年 30 巻 p. 140-146

詳細
抄録

淡水生Ellerbeckia属珪藻のうち,筆者らにより日本から得られた3分類群について報告する。E. arenaria f. arenaria は山中湖のみから見出された(現生)。他との識別点は,殻面全体に放射状の模様があること,管状突起は2列のスジにまたがっており,2個の小孔が存在することである。E. arenaria f. teresは現生としては阿寒湖から,化石としては中新世から更新世にかけての12の地層から見出された。熊本県の人吉層では密集して塊状の産状を示す層準が見出された。f. arenaria とは放射状の模様が殻面の縁辺部のみに存在すること,管状突起は4列のスジにまたがっており頂部近くに数個の小孔が存在することで識別できる。E. sp. は六角沢層から見出された。本分類群は管状突起が欠如することが多く,存在する場合は4–5列のスジにまたがることで他と区別される。

著者関連情報
© 2014, The Japanese Society of Diatomology
前の記事 次の記事
feedback
Top