抄録
日本デジタルゲーム学会教育SIG ではシリアスゲームジャム(SGJ)をこれまで10 回実施し,世の中の課題解決にゲームのチカラを利用可能であることと,「シリアスゲーム」という名称の知名度向上とその開発プロセスの普及に寄与してきたが,成果の普及による課題解決も近年期待されるようになった.一方,2024年3月に実施したSGJ9 では開発された7 本のうち2 本で企業による製品化が試みられ,社会実装とビジネス化を踏まえたSGJ のあり方について,議論が必要な段階がやってきた.これらは,世の中の課題である「防災」,「医療健康福祉」,「学習・教育」等課題の性質や方向性,ステークホルダの多様性を考慮して考える必要がある他,SGJ 参加者の帰属組織や課題に対する意識,SGJ 終了後の効果測定や普及に向けたフォローアップ等を含めて総合的に考える必要がある.本稿では,これらの各観点から諸課題について報告する.