本稿では,『League of Legends』(LoL)におけるユーザの分析意図を考慮したキャラクタの活躍度可視化インタフェースを提案する.従来の活躍度可視化インタフェースでは,3 つの観点に固定した重み付けを行い,1 分間の時間単位ごとに活躍度を算出し,ユーザの優先したい観点や時間単位を反映した活躍度の可視化ができない.本稿では,従来インタフェースを拡張し,ユーザが観点への重み付けと時間単位の指定が可能なインタフェースを構築し,有効性を示す.
本研究発表は一般に「音楽ゲーム」と称されるジャンル(英語圏ではMusic Video Games)を巡る人文系ゲームオーディオ研究および音楽研究のここ十年来の議論を精査することで、このジャンル名称を正当化している「音楽性」の実態についての考察を深めると共に、広くデジタルゲーム全般において「音楽的行為」が成立する可能性、およびそれらが持ち得る独自性や意義について検討を試みるものである。
近年では生成 AI に関する研究やツールの開発が活発に行われており,ゲームマップの自動生成もそのうちの一つである。しかし無条件なゲームのダンジョンマップ生成では,部屋や道の配置など,クリエイターの理想のマップを生成することは容易ではない。そこで本研究では,自然物および建造物2 種類の場面や部屋の配置などユーザーが考える状況に沿った自由度の高いゲームマップを自動生成する手法について提案する。
AI エージェントを用いた FPS の自動難易度バランス調整テストの既存研究では,プレイスタイルの違いによる難易度変動を適切に捉えられず,バランステストの正確性に問題があった.提案手法では,強化学習とルールベースエージェントを組み合わせることで作成した特定のプレイスタイルの AI エージェントを複数体導入する.検証を通し,プレイスタイルの違いによる難易度変動を人間のプレイヤーと同じ結果で検知可能であることを示す.
オセロにおいて一般的に設けられているハンディキャップは4 隅に石を置くものであるが、そのハンディキャップは異なる実力差に対応できない問題がある。本研究では4 隅のハンディキャップの他に複数のハンディキャップを提案し、それぞれのハンディキャップの強さを検証する。その後複数のオセロ AI プレイヤーとハンディキャップを用いた対戦を行い、実力差に応じた適切なハンディキャップを提案する。
近年、人工知能の進展により、AI などの技術が普及しつつある。本研究は、今後、生成 AI がクラブ活動に与える影響を検討するためにも、技術学習への現状を明らかにすることを目的とする。生成AI が技術コミュニティ単位や連携による活動などにおいても新たな知的・探究手段の一機能として何が提供できるか、加えて、参加者同士の意義ある関係構築・促進における可能性を探求する。また、AI による技術学習への支援・改善が技術コミュニティにおける活動へ活用した場合の効率性や質の向上に寄与するかについても検討する。これにより、生成 AI がクラブ活動の持続可能性や発展にどのように寄与できるか考察を行う。
私は、e スポーツ業界のコミュニティを描いた恋愛アドベンチャーゲーム『むねのひボルテージ』を制作した。近年世界的な発展を遂げている e スポーツ産業だが、その業界で活躍している人物や、構築されているシステムといったコミュニティの実態は世間一般ではほとんど認知されていない。そこで、物語を通して多くの人に e スポーツ業界の姿を認知してもらうために本作を企画した。任天堂が発売している対戦アクションゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズSP』のコミュニティに着目し、取材や研究を重ね業界の特徴や情勢を分析した。その研究をもとに制作したシナリオをもとに、イラストデザインやゲームスクリプトを行いビジュアルノベルゲームとして形にした。また、ビジュアルノベルゲームとして非常に高い人気を獲得している「恋愛アドベンチャー」のジャンルで制作することによってより多くの層にゲームをリーチすることを狙った。
近年生成 AI の利用が簡便になり,生成 AI を用いた応用研究が急速に進んでいる。今回我々は,AI との対話通じて化学分野の学習ゲームを立案し,得られた案を基に理工系の学生らと共に酸塩基中和反応の理解につながるカードゲームを開発したので,その詳細について報告する。本研究を通して AI との共同による開発プロセスが確立できれば,学校教育等における教育・学習ゲームの普及促進に資すると考えられる。