日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集
Online ISSN : 2758-6480
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基調講演
特選トラック
ゲーム文化 ( 口頭セッション 1 )
  • バグバンモシリ ホメイラ
    セッションID: 1-1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    現在では、連載化はあらゆるメディア、特にデジタルフォーマットに存在するため、連載されたマスメディアの中で繰り返されるパターンが、その消費にどのような影響を与えるかを理解することは重要です。『ファイナルファンタジー(FF)』は、大規模な連載された数多くのロールプレイングゲームの一つであり、そのため、本研究では、『FF』ゲームシリーズにおける連載要素を理解することを目的とする。研究者は、Denson とJahn-Sudmann がゲームにおける連載化について紹介した分類と、ウンベルト・エーコの連載制作の分類法を用いて、ゲームシリーズを分析した。その結果、『FF』は独自の百科事典やデータベースを作成したことが明らかになった。したがって、繰り返し登場するキャラクターや共通の世界を使うのではなく、このデータベースを参照してシリーズ内の新しいゲームを作る。
  • -「橙光」の投稿作品のゲームデザインを中心に-
    黄皙喃 , 向江 駿佑
    セッションID: 1-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    中国では、女性の社会進出によって彼女たちの自己意識が高まっていることを背景に、乙女ゲームにおいても主体性を強調する動きがみられる。たとえば女性向けコンテンツ全般における「大女主」の流行はゲームでも共通しており、ゲームシステムもプレイアビリティが重視される傾向にある。本稿では、中国のオンラインプラットフォーム「橙光」に投稿された作品のゲームデザインに注目し、中国の女性プレイヤーのニーズを考察する。また日米の乙女ゲームとの比較を通して、中国ならではの社会的背景の下での女性向けゲームの特徴を明らかにする。
ゲームプログラミング教育 ( 口頭セッション 2 )
音楽・コンセプト ( 口頭セッション 3 )
  • - デジタルゲーム独自の「音楽的行為」の解明へ向けた"Music Video Games"を巡るゲームオーディオ研究総括の試み -
    山上 揚平
    セッションID: 3-1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究発表は一般に「音楽ゲーム」と称されるジャンル(英語圏ではMusic Video Games)を巡る人文系ゲームオーディオ研究および音楽研究のここ十年来の議論を精査することで、このジャンル名称を正当化している「音楽性」の実態についての考察を深めると共に、広くデジタルゲーム全般において「音楽的行為」が成立する可能性、およびそれらが持ち得る独自性や意義について検討を試みるものである。
  • - ノンプレイヤーキャラクターに対するプレイヤーの認識の GTA 分析 -
    髙松 美紀
    セッションID: 3-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 フリー
    プレイヤーはゲームプレイにおいて、NPC を友人のように思い遣ることもあれば、道具のように扱うこともある。本研究では、こうした「者」と「物」との両極の認識をプレイヤーに抱かせる NPC という存在について考えるべく、NPC に対するプレイヤーの認識を質的に詳らかにすることを試みた。実況ゲームプレイのビデオ・エスノグラフィー、および半構造化インタビューに基づいた構成主義的 GTA の結果、NPC に対する認識には〘人として〙〘キャラとして〙〘ゲームキャラクターとして〙〘システムとして〙の4 つの様態があることが明らかになった。本稿では、これら4 つの認識様態それぞれについて考察することを以てその関連性を紐解き、NPC に対する認識の全体構造を描き出した。
自動生成・アルゴリズム ( 口頭セッション 4 )
  • 阿部 莉子, 檀 裕也
    セッションID: 4-1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年では生成 AI に関する研究やツールの開発が活発に行われており,ゲームマップの自動生成もそのうちの一つである。しかし無条件なゲームのダンジョンマップ生成では,部屋や道の配置など,クリエイターの理想のマップを生成することは容易ではない。そこで本研究では,自然物および建造物2 種類の場面や部屋の配置などユーザーが考える状況に沿った自由度の高いゲームマップを自動生成する手法について提案する。
  • 中村 脩, 阿部 雅樹, 渡辺 大地
    セッションID: 4-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    これまでのゲーム開発ではこういった広大な地形にテクスチャを貼る際、一枚のシームレスなテクスチャをタイルのように敷き詰めるタイリングという手法が使われてきた。しかしタイリングは施す面が広いほど模様の繰り返し感が目立ってしまう。そこで本研究では模様の繰り返し感と遠方で見えてしまう線の改善を研究の目標にし、2 枚のテクスチャを合成して自然な見た目にするテクスチャブレンドという手法に注目した。そしてタイリングを施した面同士でパーリンノイズをマスク画像として使用しブレンドを行い、2 枚のテクスチャの模様をまばらに表出させることによって、模様の繰り返し感を軽減させた。また遠景ではタイルに張り付けるテクスチャをタイル毎にランダムに回転させ、遠景で目立ってしまうテクスチャの境界線を視認しづらくさせた。これらの処理によりタイリング手法で問題となっていた繰り返し感の改善をすることが可能となった。
  • 浅野 耀太, 渡辺 大地, 阿部 雅樹
    セッションID: 4-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ビデオゲームなどのインタラクティブなコンテンツにおいて破壊表現は多用される表現の1 つであり、視覚的なリアリティや動的に反応を返す計算効率が求められる。リアルタイム破壊シミュレーションは物体にかかる外力を基に破片形状を決定する物理ベース手法と幾何学模様やアーティストによって破片形状を決める非物理ベース手法に分類できる。実際は非物理ベース手法が用いられるケースが多く、物理ベース手法がビデオゲームで用いられた事例は存在するが、生成される破片形状がモデルの境界に依存しており、正確な亀裂や破片を生成することができない。そこで本研究ではより正確な亀裂や破片を生成できる物理ベース手法を提案する。本手法は有限要素法を使用し、破壊対象はボリュームメッシュで表現する。各要素にかかる主応力から破壊を行うか判定し、破壊する場合は破断面に沿って要素を分割することで物理的に正しい亀裂や破片を発生させることができる。
ゲーム開発・1 ( 口頭セッション 5 )
歴史 ( 口頭セッション 6 )
  • 尾鼻 崇, 小出 治都子
    セッションID: 6-1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、我が国のミュージアム等の公的機関においてゲームに関連する資料がどのように扱われてきたのか、またその展示趣旨の変容について整理することを目的としている。21 世紀以降急速に増加傾向にあるゲーム資料展示は、明らかにそのキュレーションに変容が読み取れるようになってきた。本研究では、まず国内における事例調査を行い、国外の主要な事例や Nylund や Naskali らをはじめとする博物館学の知見、そしてゲーム研究が蓄積してきた成果を踏まえつつ検討し、その展望についても議論する。ゲーム展示が行われるようになって20 年が経過した現在においても、ゲーム展示はプレイアブル展示に依存している面が強い。プレイアブル展示によって来館者数の増加やゲームを遊ぶことができる「楽しさ」、昔のゲームを再度プレイできる「懐かしさ」といった効果を見ることはできるものの、そこには課題も散見される。本発表ではゲーム展示のキュレーションの展覧会である「ゲーム展TEN」と「ゲーム展TENⅡ」を参考に、ゲーム展の多様化の状況を整理し考察する。
  • - 千葉県と茨城県の事例を中心に -
    川﨑 寧生
    セッションID: 6-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本発表の目的は、ゲーム文化と社会との関係性において、地域的差異がどのような形で起きるのかを明らかにすることである。本発表では、ゲームセンターの規制緩和に関する議論において、隣り合いながらも特徴的な差異を持つ、千葉県と茨城県に着目する。発表では両自治体の周辺におけるゲーム文化に関する環境と、議会でのゲーム文化に関する議論の差異から、ゲーム文化と社会との関係性に関する地域性について、調査、分析を試みた。結果として本発表では、両県のゲーム文化と社会との関係性の差異や地域性は個人の働きやそれを許容する地域環境に左右されていること、その上で、政党によるスタンスの差異が、地域のゲーム文化受容に影響を与える可能性があることが明らかとなった。
市場調査 ( 口頭セッション 7 )
難易度 ( 口頭セッション 8 )
シリアスゲーム・ゲーミフィケーション ( 口頭セッション 9 )
視覚・観戦 ( 口頭セッション 10 )
  • 小川 充洋, 小林 雅弥
    セッションID: 10-1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    白内障の治療のためには水晶体を眼内レンズに置換する治療が用いられる。なかでも多焦点眼内レンズは複数のピントが合う位置があるため、患者の QOL の向上が期待できる。一方、多焦点眼内レンズ患者においては、ハロー・グレア・スターバースト現象と呼ばれる、夜間など暗所での光に対する見え方の不具合が生ずることがある。具体的には、光がにじんで光点の周りに広がり、光点周囲にリング状の靄がかかるように見える「ハロー現象」、光がぎらつくなどしてまぶしく見える「グレア現象」、光点から放射状に伸びる光の線が見える「スターバースト現象」などがある。これらの現象はよく知られているが、眼内レンズ装着者の主観的な視覚によって観察されるものであり、客観的な議論には限界がある。われわれは、3DCG のポストプロセスによってこれら現象を VR 空間で再現する研究を進めている。最終的には、それぞれの眼内レンズ装着者が感じているハロー・グレア・スターバースト現象と一致するポストプロセッシングを患者毎に行って現象の客観評価を目指している。今回は、ハロー・グレア・スターバースト現象を再現可能なポストプロセッシングについて報告し、ゲーム関係技術の医療応用におけるゲーミフィケーション・シリアスゲームに関して考察する。
  • 八木 聖太, 梶並 知記
    セッションID: 10-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿では、FPS の大会観戦者を対象とした、エリア優位性に着目した観戦支援手法を検討する。観戦者がエリア優位性に関する情報を望むことが知られているが、従来インタフェースでは、エリア優位性に関する情報があまり提供されていない。したがって本稿では、エリア優位性に関する、取得エリア、関与方法、エントリを可視化し、観戦者に新たな気づきを促す。ミニマップの拡張とリストの追加による2 つの可視化手法を評価実験により比較する。
  • 宮川 瑠偉, 松浦 昭洋
    セッションID: 10-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、仮想空間における360°の全天球の情報を、等距離射影に基づいて円および円環状の魚眼画像としてHMDで提示する視野拡張手法において、物体の発見とそれに続くアクションを効率的に行うためのサポートとなる機能を考案・実装した結果を報告する。一つ目の機能は、仮想空間内での物体の位置を特定するために有用な補助線を表示する機能であり、ユーザの周囲に一定サイズの大円をいくつか表示する。二つ目の機能は、本魚眼画像を用いて物体を発見した後、そのビューのままコントローラでアクションを行う機能である。今回シューティングを対象とし、本ビューと提案する二機能を用いた物体の発見と撃つ行為を連動して行えることを確認した。
ゲーム開発・2 ( 口頭セッション 11 )
認知 ( 口頭セッション 12 )
  • 宮川 慎也, 遠藤 守, 浦田 真由, 安田 孝美
    セッションID: 12-1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、人工知能の進展により、AI などの技術が普及しつつある。本研究は、今後、生成 AI がクラブ活動に与える影響を検討するためにも、技術学習への現状を明らかにすることを目的とする。生成AI が技術コミュニティ単位や連携による活動などにおいても新たな知的・探究手段の一機能として何が提供できるか、加えて、参加者同士の意義ある関係構築・促進における可能性を探求する。また、AI による技術学習への支援・改善が技術コミュニティにおける活動へ活用した場合の効率性や質の向上に寄与するかについても検討する。これにより、生成 AI がクラブ活動の持続可能性や発展にどのように寄与できるか考察を行う。
  • - 2D 脱出ゲームを用いた実験的研究 -
    牧 佑弥, 中村 隆之
    セッションID: 12-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ビデオゲーム動画配信市場が急成長している一方で、ゲーム機やモバイルゲームのプレイ時間が減少している。この傾向からビデオゲームをプレイせずプレイ動画を視聴する層が増えていると考えられる。本研究では実験用に独自の 2D 脱出ゲームを制作し、そのゲームをプレイした人とプレイ動画を見た人とでゲーム内容の記憶量に差が生じるかを調査した。ビデオゲームをプレイする被験者群、プレイ動画を視聴した被験者群それぞれに対し、プレイ後または動画視聴後にゲーム内容に関する記憶テストを実施し、結果を比較した。記憶に関するアンケートの自由記述を文字数で比較した結果、プレイ群よりも視聴群の文字数が有意に多かった。また、プレイ群のほうが視聴群に比べ古い情報を忘れる傾向にある可能性が示唆された。本研究の条件において、プレイ時と視聴時に記憶に関する違いが生まれている事を明らかにした。
  • 伊藤 瑳紋, 白井 靖人
    セッションID: 12-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲーミフィケーションの教育分野への応用についてわが国でも先行例が幾つか報告されているが、初等中等教育の例に比べて、高等教育の例は限られている。本稿では、我が国の高等教育にゲーミフィケーションを導入する場合を想定し、そこでの報酬のあり方について検討した。先行例や自己決定理論の成果を踏まえたうえで、我が国の大学で実現可能な報酬を設計し、受講者の希望するものとの整合性を調査した。調査の結果、周囲からの称賛、提出物等への素早いフィードバック、そして自らの進捗状況に関する情報が求められていることが明らかになった。
企画セッション 1
企画セッション 2
  • ~多面的な視点からの探求~
    岸本 好弘, 財津 康輔, 古市 昌一, 犬田 悠斗
    セッションID: Sp-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    この企画セッションでは、4 人の発表者が、ゲームリテラシー、ゲーム開発リテラシーに関して幅広い視点から議論を行う。1.ゲームリテラシーの概念とその重要性について 2.子供から大人までのゲームの適切な活用方法 3.ナラティブと認知的不協和とゲーム開発者のための技術者倫理 4.ゲーム内でのプレイヤーの社会的交流と自己表現におけるゲームリテラシーなどである。後半は、会場を含めたディスカッションを通じて、ゲーム開発リテラシーの未来展望を考える。
  • - ゲームリテラシーの測定に関する研究に着目して -
    財津 康輔
    セッションID: Sp-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲームリテラシーは、ゲームを通して身に付く、あるいはゲームと付き合うために必要な力であるとされる。著者は昨年度の発表で、ゲームリテラシーの概念が国内外の研究者によってどのように捉えられてきたかを述べた。本発表では、昨年度の発表を踏まえて、特にゲームリテラシーの測定に着目したレビューを行い、論点や課題を整理する。
  • 岸本 好弘
    セッションID: Sp-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    筆者がこれまで行ってきたゲームリテラシーを学ぶワークショップや,ゲーム開発リテラシーを学ぶ授業を基に,ゲームリテラシー,ゲーム開発リテラシー,ゲーミフィケーションリテラシーの重要性について述べる.ゲームリテラシーを「ビデオゲームとうまく付き合う能力」として定義する.親子向けのゲームリテラシーのワークショップでは,ゲームにハマる理由としてドーパミンや射幸心について話した後,親が子どもの遊んでいるゲームについて知った上で,ゲームを遊ぶルールの必要性などについて子どもと話し合うことが大事であると伝えた.同様に,ゲーム開発リテラシーの定義と,ゲーム開発リテラシーを学ぶ授業の実践,ゲーミフィケーションリテラシーの定義と,ゲーミフィケーションリテラシーを学ぶ勉強会の実践も報告する.
  • 古市 昌一
    セッションID: Sp-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    工学系の大学で技術者倫理が教えられるようになって 20 年以上経ったが,製造業の現場では未だに会社内での検査データの不正等が内部告発等で発覚する等,現場の一部では技術者倫理が十分機能していないように思える.筆者が大学でゲーム開発を含む情報工学等を学ぶ学生向けに技術者倫理を教え始めて 15 年がたち,講義中では極力情報の新技術である AI や VR 技術等を事例とするようにしてきた.この同時期,コミュニティの形成やマーケティングのための効果的なツールとして利用されてきたSNS は,近年偽情報等を利用したデジタル影響工作のための利用が目立つようになってきた.また,ゲームの一部も情報発信や拡散の一翼を担うようになり,ゲーム開発者のための技術者倫理をまとめなければならない時がやってきた.本稿では,技術者倫理の教育経験を踏まえた上で,ゲーム開発者のために技術者倫理を解説し,ゲームを企画する段階から考慮すべき技術者倫理の要素について論じた.
  • 犬田 悠斗
    セッションID: Sp-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿では、ゲーム内でのプレイヤーの自己表現と社会的交流の中でも、政治的、または社会的活動に注目し、これらの活動とそれに対するゲーム開発者の対応について事例調査を行った。その後、これらを踏まえて、ゲーム内でのプレイヤーの政治的、または社会的活動において、プレイヤー、開発者それぞれが持つ必要があるリテラシーについて考察した。その結果、プレイヤーが持つゲームリテラシーとして、ゲーム内で差別やいじめ、嫌がらせを行わない能力、そして利用規約に則ったゲームプレイを行う能力が必要であると論じた。また、ゲーム開発リテラシーとしては、プレイヤーのゲーム内での政治的、または社会的活動において制限・禁止する基準を決める能力、そして、制限・禁止するか曖昧な事例について迅速に、かつ厳格に決定を下す能力が必要であると論じた。
インタラクティブセッション 1
  • - スリンキーをコントローラとしたデジタルゲーム制作 -
    PAN Yiduo, 渡辺 修司
    セッションID: In-1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲーム初心者にとってゲームコントローラとは難度の高いデバイスである。本研究ではスリンキーを用いたデジタルゲームを提案し、仮想的に難度の高い入力デバイスを提供し、これにソフトウェアの演出を用いて操作習熟のアシストを行う。デモではコントローラとしてバネ型玩具であるスリンキーを用い、ゲームにおけるジャンプとシンクロさせ画面やサウンドの効果により操作習熟への支援を考察する。
  • 冨田 紳太郎
    セッションID: In-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    私は、e スポーツ業界のコミュニティを描いた恋愛アドベンチャーゲーム『むねのひボルテージ』を制作した。近年世界的な発展を遂げている e スポーツ産業だが、その業界で活躍している人物や、構築されているシステムといったコミュニティの実態は世間一般ではほとんど認知されていない。そこで、物語を通して多くの人に e スポーツ業界の姿を認知してもらうために本作を企画した。任天堂が発売している対戦アクションゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズSP』のコミュニティに着目し、取材や研究を重ね業界の特徴や情勢を分析した。その研究をもとに制作したシナリオをもとに、イラストデザインやゲームスクリプトを行いビジュアルノベルゲームとして形にした。また、ビジュアルノベルゲームとして非常に高い人気を獲得している「恋愛アドベンチャー」のジャンルで制作することによってより多くの層にゲームをリーチすることを狙った。
  • 國井 一志, 戀津 魁, 兼松 祥央, 松吉 俊, 三上 浩司
    セッションID: In-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、Unity や Unreal Engine などのゲームエンジンと呼ばれるゲームを制作するために必要な機能やプログラム、素材などを提供してくれる環境が発展している。これに伴い、誰でも簡単に効率が良く高品質なゲーム開発を行えるような環境が整ってきた。しかし、ゲーム制作で制作する物量や、そこに必要となる時間の見通しが難しい。そこで本研究では主に開発経験の少ないゲーム制作者を対象に、企画制作段階で必要な制作物の把握・可視化を可能とするシステムを開発した。評価実験の結果、必要な制作物の把握を可能にするガントチャートの「作成時間」、「作成難易度」において有意な差が得られた。また、「新しい開発項目の発見」、「使い心地」、「開発システム内の設問内容」に関しても良い評価が得られた。
  • 伊藤 賢一, 粟飯原 萌, 岡田 真紀, 五味 悠一郎, 早川 麻美子
    セッションID: In-4
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年生成 AI の利用が簡便になり,生成 AI を用いた応用研究が急速に進んでいる。今回我々は,AI との対話通じて化学分野の学習ゲームを立案し,得られた案を基に理工系の学生らと共に酸塩基中和反応の理解につながるカードゲームを開発したので,その詳細について報告する。本研究を通して AI との共同による開発プロセスが確立できれば,学校教育等における教育・学習ゲームの普及促進に資すると考えられる。
インタラクティブセッション 2
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