抄録
ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」に象徴される、ゲームの要素列挙による「客体中心主義」的定義は、境界事例や例外事例を常に生み出し、実際の開発現場においての実践的な定義としても機能しづらい。本論ではゲームの定義における客体への評価を一度判断停止(エポケー)し、主体側の認知運動と扱う現象学的還元を行う。これにより、遊びの構造を視覚的・幾何的な予測と生成が可能なモデルとして再構築する。方法として、カイヨワの四象限的定義を、文学理論の焦点化を認知科学的に発展させた「焦域」に接続し、主体の認知的体験をモデル化する「私球」として定義する。この私球モデルは、ナラトロジーとルドロジーの関係性への幾何学的な回答や、喜怒楽等の感情の移動類型による定義などを視覚的に可能にする。最終的に、古典から現代的な放置・ゲーム実況まで、幅広い遊びの事例をプロットし、本モデルの統一的な分析モデルとしての有効性を検証する。