Dental Materials Journal
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Dentin primer塗布によるウサギの皮膚に対する病理学的変化の研究
真鍋 厚史長谷川 篤司千木良 尚志伊藤 和雄和久本 貞雄中山 貞男立川 哲彦
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1990 年 9 巻 2 号 p. 147-152,228

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抄録
レジンの象牙質に対する接着性を改善するために用いられるdentin primerによって,術者の手指を主とする皮膚組織に引き起こされる副作用を検討するために,glutaraldehyde (GLU)またはHEMAの水溶液,およびこれらの混合水溶液からなる試作primerの7日間の反復塗布によって,ウサギの皮膚に見られる変化を病理学的に検討した。さらに,新たに試作したdimethylaminoethyl methacrylate (DMAEM)水溶液の接着性を検討するとともに,この水溶液による副作用も合わせて検討した。その結果,DMAEMは従来報告されている,HEMAおよびGLUを含む水溶液と同等の接着性を示したものの,ウサギの皮膚に対して強力な炎症作用を引き起こし,さらに,このような炎症は,塗布7日後にも完全に回復することは出来なかった。さらに,GLUを含む水溶液でも同様の炎症が惹起されたが,その程度はやや軽微で,7日後にはほぼ完全な回復が観察された。これに対してHEMAおよびglyceryl methacrylateの塗布では,著明な変化は全く認められなかった。
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© 日本歯科理工学会
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