抄録
Pirmenol(CI-845)をイヌに経口投与し,尿中代謝物の非抱合画分についてマスクロマトグラフィーを行い,標準品との比較により,未変化体と6種の代謝物,すなわち,ジメチルピペリジン環のモノヒドロキシ異性体2種,M1-1(trans4-OH体)とM1-2(cis4-OH体),ジメチルピペリジン環の脱水素体(M2),フェノール体(M3),グアヤコール体(M5)およびアミノ体(M9)の構造を確認した.抱合画分については,AmberliteXAD-2およびシリカゲルカラムクロマトグラフィーとHPLCにより精製して,3種の抱合代謝物を単離し,LC/MSならびにナフトレゾルシン反応により,これらがグルクロニドであることを確認した.また,これらをβ-グルクロニダーゼ処理し,遊離したアグリコンをGC/MSにより標準品と比較した.これらの結果から,抱合画分の代謝物は,M1-1,M3およびM5の3種のグルクロニドであることが明らかとなった.