ラットにおけるドルゾラミドおよびそのN-脱エチル代謝物とラット赤血球との結合性について検討した.さらに,ラットに塩酸ドルゾラミドを静脈内投与した際のドルゾラミドおよびL-706,803の血中濃度推移について検討した.
1.ドルゾラミドのラット赤血球中への取り込みはL-706,803よりも速かった.
2.ドルゾラミド,L-706,803ともにラット赤血球内では2種類の結合部位が認められ,高親和性部位および低親和性部位の最大薬物結合濃度はそれぞれ約60および30μMであった.
3.ドルゾラミドおよびL-706,803の低親和性部位のKd値は,それぞれ0.387および0,497μMであった.ドルゾラミドおよびL-706,803の高親和性部位のKd値はそれぞれ低親和性部位の約1/100および1/250であった.
4.塩酸ドルゾラミドをラットに静脈内投与した際,0.5mg/kgでは血漿中にドルゾラミドおよびL-706,803は認められなかった。5mg/kg投与時では僅かに認められ,消失半減期はドルゾラミドが1.0時間,L-706,803が2.6時間であった.
5,塩酸ドルゾラミド0.5mg/kgを静脈内投与した際,血液中ドルゾラミドおよびL-706,803の消失半減期はそれぞれ157および116時間であった.5mg/kg投与時の消失半減期はそれぞれ101および99時間であった.
6.0.5mg/kg投与時の血液中ドルゾラミドおよびL-706,803のAUCは,それぞれ1093および115μg·hr/m
lであったが,5mg/kg投与時ではドルゾラミドのAUCは0.5mg投与時の約1/2に減少した.L-706,803のAUCは逆に約5倍上昇した.
7.0.5mg/kg投与時の血液中ドルゾラミドのVd
ssおよびCL
totはそれぞれ99.9m
l/kgおよび0.46m
l/hr/kgであった.5mg/kg投与時のVd
ssおよびCL
totはそれぞれ0.5mg/kg投与時の15および25倍であった.
抄録全体を表示