薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
新規アンジオテンシン II 受容体拮抗薬ロサルタンの体内動態(第2報): ラットにおける反復経口投与時の吸収,分布,代謝,排泄および肝薬物代謝酵素への影響
高山 文夫, 石崎 弘之, 吉永 智美, 森田 美津子, 畑 俊輔, 江角 凱夫, 神 義容, 岡村 裕一
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 10 巻 2 号 p. 244-256

詳細
抄録
14C-ロサルタンを雄ラットに投与量10mg/kgで非絶食下,1日1回,21日間反復経口投与した際の血漿中濃度,尿・糞中排泄率,組織内濃度および組織内代謝物量について測定した.また,ロサルタンを雄ラットに投与量10mg/kgおよび135mg/kgで1日1回,7日間反復経口投与し,肝薬物代謝酵素系への影響について検討した.
1.血漿中放射能濃度は投与後6日までに定常状態に達し,最終投与後72時間にはCmaxの10%程度まで減衰した.
2.反復投与期間中,尿および糞中への放射能の排泄に変化は認められず,最終投与後72時間までに尿および糞中にそれぞれ全反復投与量の約2.1および94%が排泄された.
3.1回投与後8時間の組織内放射能濃度は肝臓に最も高い濃度が認められ,ついで大腸,盲腸および腎臓が高かった.他の組織はいずれも血漿中放射能濃度より低かった.投与後24時間ではいずれの組織も8時間の濃度の32%以下に減少するか,検出限界以下となった.血球移行率は投与後8時間では0.5%,24時間では8.4%であった.
4.反復投与した際,投与期間中の組織内放射能濃度は血液および腎臓で7回投与以降,肺は14回投与以降ほぼ定常状態になった.21回投与後の組織内放射能濃度は大動脈からの放射能の消失が著しく緩慢であったが,他の組織からの放射能の消失は血漿とほぼ同様の推移を示した.投与期間中および最終投与後の血球移行率は12.8%以下であった.
5.1,6,13および21回投与後の尿中に主として代謝物M-10およびM-11が確認された.糞中には未変化体のほか,M-1,M-2およびM-4が確認された.また,1および21回投与後8時間の肝臓および腎臓試料中にはともに未変化体およびM-4が主として確認された.定常状態に達した6回投与以降,それら代謝物排泄量の大きな変動は認められなかった.
6.10mg/kgおよび135mg/kgのロサルタン反復投与後24時間および2週間の肝重量,ミクロゾーム蛋白量および肝薬物代謝酵素活性は対照群との有意差はなかった.135mg/kg投与群でのみ,最終投与後24時間におけるチトクロームb5およびチトクロームP-450含量がわずかに減少した.
著者関連情報
© 日本薬物動態学会
前の記事 次の記事
feedback
Top