1997 年 12 巻 1 号 p. 42-47
ONO-1101 ((−)-[(S)-2,2-dimethyl-1,3-dioxolan-4-yl]methyl 3-[4-[(S)-2-hydroxy-3-(2-morpholinocarbonylamino)ethylamino]propoxy]phenylpropionate monohydrochloride)をイヌに静脈内急速投与後の血中動態および静脈内定速注入後の血中動態を検討し,さらに麻酔の影響について検討した.
1.ONO-1101を0.3および3.Omg/kgの用量で静脈内投与した時,血漿中の未変化体はいずれの投与量においても速やかに消失し,AUC0-∞は用量に応じた増加が認められた.代謝物としてM-1,M-2が認められ,これらの消失は緩慢であった.
2.麻酔下に静脈内定速注入した時,薬物動態パラメータには有意差は認められなかったが,麻酔下では無麻酔下に比べ未変化体の血漿中濃度は高く推移した.