抄録
ラット肝9000×g上清を用いてNKH477の代謝を検討した.また,ラット,イヌおよびヒトに静脈内投与したときの血漿,組織,尿,糞および胆汁中代謝物を検索した.
1.ラット肝9000×g上清によるNKH477の代謝をLC/FRIT-FAB-MSを用いて合成標品と比較することで確認した.NKH477はN-脱メチル化,水酸化および分子内環化により代謝された.
2.ラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの組織内代謝物を検索した.投与後5および30分では血漿,心臓および腎臓で未変化体とN-脱メチル体のM-1が主であった。また,肝臓は投与後5分で種々の代謝物が検出されており,主要な代謝部位であることが示唆された.
3.ラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの尿,糞および胆汁中代謝物を検索した.24時間までの尿中にNKH477,M-1,M-3とM-4を含む画分(画分D)およびM-5とM-6を含む画分(画分C)が投与後それぞれ0.8%,2.2%,1.7%および1.7%が排泄された.尿中主代謝物はM-1であった.投与後48時間までの糞中に画分D,画分CおよびM-7とM-8を含む画分(画分B)がそれぞれ20.9%,15.8%および14.6%が排泄された.NKH477および尿中の主代謝物であるM-1は少なかった.投与後6時間までの胆汁中に画分D,画分Cおよび画分Bがそれぞれ13.4%,14.4%および11.8%が排泄され,そのプロフィールは糞中代謝物のプロフィールと同様であった.
4.イヌに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの尿および糞中代謝物を検索した.投与後24時間までの尿中にNKH477,M-1および含む画分Dがそれぞれ2.8%,5.9%および1.3%が排泄された.尿中主代謝物はM-1であった.投与後72時間までの糞中に画分D,画分Cおよび画分Bがそれぞれ20.9%,9.9%および6.0%が排泄され,ラットの尿および糞中代謝物のプロフィールと同様であった.
5.ヒトにNKH477を単回静脈内持続投与したときの尿中代謝物を検索した.投与後24時間までの尿中には未変化体およびM-1がほとんどで,ほかの代謝物はわずかであった.