薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
PEG4000含有腸管洗浄液(MGV-5)のラットおよびイヌでの体内動態
網野 光人塚本 善次林 敏廣
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1989 年 4 巻 5 号 p. 529-535

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抄録

4種の電解質とポリエチレングリコール4000(PEG4000)を含む新規経口腸管洗浄液MGV-5を,ラットおよびイヌに経口投与したときのPEG4000の血中濃度および尿中排泄について検討した.なお,MGV-5の投与量は20ml(PEG4000 1.18gを含む)/kgを基本とし,10分間隔で繰り返し経口投与した.
1.ラットにMGV-5を経口投与したとき,PEG4000の血清中濃度は投与量が増加するに従い上昇したが,20ml/kgの5回と10回投与ではほぼ同じ血清中濃度を示した.イヌにMGV-5(20ml/kgの1,4および8回投与)を経口投与したとき,血清中濃度は定量限界(10μg/ml)以下であった.
2.ラットにMGV-5を経口投与したとき,尿中排泄率は投与量の増加とともに低下し,20ml/kgの10回投与では投与量の1.00%であり,5回投与と同程度の排泄量を示した.イヌの場合は,20ml/kgの1,4および8回の繰り返し経口投与でPEG4000の尿中排泄率はそれぞれ投与量の0.34,0.07および0.05%とラットに比べ小さかった.これらの結果より,PEG4000は両動物の消化管からの吸収に飽和のあることが示唆された.

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