薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
Propiverine hydrochloride の体内動態(第1報)ラット単回投与後の吸収,分布および排泄
山本 佳男津田 益広宇田 和彦新藤 恭司川口 安郎
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1989 年 4 巻 5 号 p. 537-551

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抄録

1.14C-P-4経口投与後の吸収は良好であり,吸収速度も速く,血液中放射能は速やかに上昇した後10.4~13.5hrの半減期で消失し,その動態に特に大きな性差は認められなかった.
2.14C-P-4経口投与後の組織内放射能濃度は,主に代謝排泄臓器と考えられる肝,腎と肺およびハーダー氏腺などが高く,その他の組織でも血漿よりも高いものが多く,組織移行性が高かった.組織からの消失は比較的速やかで,特に顕著に貯留性を示す組織は見られなかったが,一部代謝排泄臓器である肝からの消失がやや遅延する傾向を示した.また,分布に投与経路による差がみられ,P-4が肝などの初回通過効果を強く受けることが示唆された.3.
14C-P-4経口投与後の放射能は,雌雄ともに糞中に約55~70%,尿中に約30~40%が排泄され,その大部分は48hrまでに終了した.
4.14C-P-4経口投与後の放射能は,胆汁中に約70%排泄され,うち約39%が再吸収され,腸肝循環が認められた.

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