抄録
14C-FUT-187をイヌに投与したときの体内動態について検討し,以下の結果を得た.
1.[14C-IABA]FUT-187および[14C-AN]FUT-187を15mg/kgでイヌに経口投与した結果,血液中総放射能から得たCmaxは,それぞれ約889
および601ngeq./ml,AUC0-48はそれぞれ約9163および11293ngeq.・hr/mlであり,T1/2はそれぞれ約11および12時間で消失した.
2.イヌに30mg/kgで[14C-AN]FUT-187を経口投与したときの血漿中未変化体のCmaxは約406ng/mlであり,ラットの場合と比較して約10倍高く種差が認められた.
3.[14C-IABA]FUT-187,15mg/kg経口投与で,膵臓中未変化体濃度は血漿中未変化体濃度より高く,約4倍の値を示した.また,その他の主要組織においても同様に高い濃度を示し,FUT-187は組織移行性が高い薬物であると考えられた.肝臓における未変化体濃度はラットよりもイヌにおいて高く,種差が認められた.
4.FUT-187はラットの場合と同様に消化管,肝臓などで初回通過効果を受け,一部は代謝物IABAおよびANに加水分解され,さらにANは抱合化を受けるものと考えられた.
5.FUT-187のイヌにおけるin vivoでの血清蛋白結合率は51%~65%程度と推測された.
6.FUT-187は中枢神経系への移行は少なかった.
7.[14C-IABA]FUT-187あるいは[14C-AN]FUT-187を15mg/kgで経口投与した後の放射能は,投与後96時間までに尿中に約23あるいは約27%が,糞中にはいずれの場合も約73%が排泄され,そのほとんどが投与後48時間までに排泄された.