薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
レセプター結合占有理論に基づいたスルホニルウレア剤の薬用量の予測1)
杉浦 宗敏澤田 康文山田 安彦中村 幸一伊賀 立二
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 7 巻 2 号 p. 233-241

詳細
抄録
スルポニウレア(SU)剤は,数十年前からインスリン非依存性糖尿病患者の治療に使用されてきた強力な血糖降下剤であるが,常用量はこれら薬物間で大きく異なっている.最近の研究によると,膵臓のβ-細胞の形質膜上にレセプターが存在し,SU剤が特異的に結合することが知られている.また,SU剤のレセプターへの結合親和性定数(Kd値)は,β-細胞のインスリン分泌能力とよく相関する.
本研究では,Kd値とヒトにおける各種SU剤の常用量投与後の血漿中非結合形薬物濃度(Cf)間の関係を検討し,良好な正の相関関係(r=0.998)を得た.また,その常用量は広範囲であるが,レセプター占有理論に基づいてCfより得られたレセプター結合占有率(∅=Cf/(Kd+Cf)×100%)は恒常な値(56.7±10.8%)であり,Kd値とCf間の解析から,SU剤の有効血中濃度や常用量の予測が可能であることがわかった.
著者関連情報
© 日本薬物動態学会
前の記事 次の記事
feedback
Top